MENU

【大会総括レポート】男子:千葉ジェッツ、女子:JX-ENEOSサンフラワーズの優勝で閉幕「天皇杯・皇后杯からのリスタート」

「第93回天皇杯・第84回皇后杯全日本バスケットボール選手権大会」が幕を下ろした。男子は千葉ジェッツが2年連続2回目の天皇杯を、女子はJX-ENEOSサンフラワーズが5年連続22回目の皇后杯を、それぞれ手にした。

ともに個々の力を結集し、文字どおりチーム一丸となって掴んだ優勝、そして連覇である。
しかし、千葉ジェッツも、JX-ENEOSサンフラワーズも、ここに至るまで決して順風満帆、絶対王者として勝ち進んできたわけではない。

千葉ジェッツは大晦日、元日に行われたBリーグのアルバルク東京戦で連敗。しかも2戦目となる元日のゲームで、正ポイントガードの②富樫 勇樹選手が負傷し、天皇杯に出場できなくなってしまった。
しかしその連敗と、富樫選手の欠場が、チームに危機感とこれまで以上の一体感を与えることになった。

千葉の大野 篤史ヘッドコーチは、優勝記者会見でこう振り返る。
「12月31日、1月1日のアルバルク東京戦で、ハーフコートバスケットをするだけでは自分たちは並みのチームだ、チャンピオンになれるチームではないと原点に立ち返ることができました。さらに(富樫)勇樹のケガもあって、チームとしてまとまらなければいけないとフォーカスすることもできました」

その言葉どおり、富樫選手が不在でも、千葉のトランジションバスケットボールが色あせることはなく、最後の最後まで“自分たちらしさ”を貫き通すことで優勝を手繰り寄せることができた。

 
一方、JX-ENEOSサンフラワーズは、昨シーズン、Wリーグ、皇后杯ともに、一度も負けることなくニ冠を達成したが、今シーズンは昨年12月9日のトヨタ自動車アンテロープス戦に敗れて、リーグ戦、皇后杯を合わせた連勝が「53」でストップした。

皇后杯の優勝記者会見で、「50数連勝しているなかで、自分たちは変わっていないつもりでしたが、どうしても『これくらいでいいか』というプレイになっていたと思います。それがあのゲームで負けて、自分たちが何をしなければいけないのかに気づくことができました。あの負けが、今日の勝利(優勝)につながっているんじゃないかと思います」と、今シーズンから再びチームの指揮を執る佐藤 清美ヘッドコーチがそう言えば、キャプテンの⓪吉田 亜沙美選手もそれに同調する。
「あれだけ連勝していて、今年も無敗でという声も届いていました。でもあのゲームで負けて、選手としては少しプレッシャーがなくなったからこそ、さらに危機感、緊張感をもって、今年の皇后杯に臨むことができました。あの負けがあったからこそ、みんな気持ちを引き締めて皇后杯に向けてやっていくことができたと思います」

もちろん、負けの少ないチームではある。しかしそれでも、たった一つの負けさえもそのままにせず、次の勝利につなげる“意志の強さ”を持っているからこそ、女子バスケットボール界の女王として君臨できているのだろう。

 
天皇杯・皇后杯は、頂点に立つチーム以外、すべてのチームが負けて終わるトーナメント形式の大会である。裏を返せば、敗れたチームだけが、その悔しさ、そして経験を、未来につなげるチャンスを得られるわけだ。

いい負けは成熟を生む。
それに気づくことができれば、どのチームも、どの選手もさらに進化できる。
天皇杯・皇后杯は通過点でもなければ、ゴールでもない。常に自分たちの原点を照らしてくれる大会なのである。

 
 

 

 

page top